KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

プロローグ

 2023年、3月。

 32年間勤めてきた小学校教員の職を辞しました。

 定年退職前の、早期退職です。

 子どもたちと過ごす最後の日の朝、妻が玄関で「いってらっしゃい。」と見送ってくれました。

「そうだ、今日で終わりなんだ・・・。」と胸が締め付けられたのを覚えています。 

 

「やめようかな・・・。」

という気持ちは、ここ数年、胸の中にありました。

 学校で何か提案するとき、これまでであれば

「こうすると、おもしろそう。」「子どもが活躍するには、どうすればいいかな。」

そんなことを考えるのが、楽しかった。ワクワクした。

 でもここ数年、そういった気持が弱くなり、ときには「めんどう」と感じるようになってきました。

「熱くなれなくなった」のです。

 

 この仕事は、熱量がないとだめだと、私は思います。

 子どもたちの人生の一部にかかわり、ときには生き方を変えてしまうときもある。

 そう考えると、「おそろしい仕事」なのです。

 

 30年以上この仕事を続けることができたのは、子どもたちの笑顔があったからです。

「先生、先生。」と言って、一生懸命自分のことを話しにくる子ども。

「できた!」「見て見て!」と、うれしそうに作品やノートなどを見せにくる子ども。

 そんな子どもたちと過ごす、かけがえのない時間。

 そういった時間を大切にし、あたため、次へのエネルギーにしてきました。

 これまでどれだけ、子どもたちに助けられてきたのかわかりません。

 

 次年度、異動が確実になったとき、辞める決断をしました。

 新しい環境で一から子どもや保護者、地域と関係を作り、実践を積み重ね、仕事を続けていくという「熱量」がなかったからです。

 そんな状態で、子どもや保護者、地域と関わり、向き合うことはできない。

「業務をただ、こなす」のでは、この仕事はだめなのだと私は考えています。 

 

 思い切って小学校教員を辞め、これまで経験したことのないことをやってみたいと思いました。

 そして、これまで全くしたことのない仕事をしてみました。

 大変でしたが、いい経験になりました。

 

 ある日ふと、ブログを始め、これまでの自分の実践を、学級通信をもとに伝えていきたいと考えました。

 たいした実践ではないけど、確かに自分が歩んできた道を記した学級通信。

 自分が「熱く」なって取り組み、子どもに向き合ってきた日々をブログに綴り、紹介していきたいと思ったのです。

 「あしあと」と題したこのブログを読み、「こんな先生もいたんだ。」「この先生は、こんなことを考え、こんなことをしていたんだ。」と、少しでも感じていただければと思います。

 これからどんな展開になっていくのか、不安であり、楽しみでもあります。

 この新たなチャレンジに、久しぶりに「ワクワク」を感じています。

 よろしくお願いします。