KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第一期 新規採用校4年目  1994.4.7 No.2 学級作り、1日目  

 4月6日、いよいよ子どもたちと出会う日。

 1年の中で、最もドキドキする1日です。

 新任式が終わり、始業式が始まり、担任が発表される。

 はじめて子どもたちの前に立ち、一人ひとりの顔をよ〜く見る。

 みんな、ニコニコして迎えてくれました。

 ぼくも笑顔で返しました。

 ドキドキが、ようやくおさまりました。

 体育館から教室へもどるとき、ぼくは子どもたちに

「教室で静かに待っていてくださいね。」

と伝えました。

「ハーイ!」と、元気よく答えてくれました。

 いい子がそろってるなーと、うれしくなりました。

 教室では、ぼくの言葉通り、静かにすわってました。

 さあ!いよいよ学級作りが、今この時から始まったのです。

 ぼくはとにかくほめて、もりあげて、のせるように心がけました。

 今日与えられた時間は、わずか30分!

 まずはあいさつからです。

 とても気持ちのいい、元気いっぱいのあいさつが返ってきました。

「元気だねー。すごい。もう一回聞きたいから、もう一回やろうか!」

と言って、2回あいさつをしました。

 2回目は、1回目よりさらに元気です。

「いいねー。T小で一番いいあいさつができるね。」

と、ほめました。

 どの子もうれしそうにニコニコ顔です。

 教科書を配るので、手伝ってくれる子を募集しました。

 たくさんいたのでそのヤル気をほめ、ぼくとのジャンケンで決めることにしました。

 負けたらすわっていきます。

 募集人数は6人!白熱の中6人が決まり、手伝ってもらいました。

 6人以外の子どもたちも、その間静かに教室で待っていてくれました。

 すかさず、「さすがだねー。」とほめました。

 教科書を配り、クラスと名前をペンで自分で書いてくる事を伝えました。

 ささいなことでも、自分でできる事は自分でする。

 これが自立した子ども、生きる力をつける上での一つの原則だと考えています。

 

 

 子どもとの出会いはとても大切です。

 春休み中に、どんな出会いをするか、何を語るか、そういったことをノートにひたすら書きます。

 先行実践を調べ、「これだ!」と思うことをどんどん取り入れる。

 私は毎年「学級ノート」として、学級作りに関する計画を書いてきました。

 特に出会いの日の語りは、話す通り原稿として書き、覚えました。

 そして、何度も話す練習をしました。

 基本、よいところをみつけ褒めるようにしています。

 今でもそうだと思いますが、出会い初日、30分ほどしかありません。

 その30分の教師の語り、姿勢が、今後に大きく響くのです。

 気の抜けない30分なのです。