KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第一期 新規採用校4年目  いい風が吹き始めてきた 1994.9.17 No. 58

 日に日に秋に近づいてきている。

 クラスで飼っているコオロギの鳴き声も、秋を感じさせる。

 何よりも風がずいぶん涼しくなった。

 気持ちよく過ごせるようになってきた。

 さて、この頃クラスの様子も、ずいぶん良くなってきたように感じる。

 もちろん叱ることもたくさんあるが、いいなーと思うことの方が多い。

 

 運動会の練習で、3・4年生合同でダンスをしている。

 ZARDの『負けないで』にあわせ、なわとびを使ってダンスをするのである。

 このときの表情が実にいい。

 楽しそうにやっている。

 見ているだけで、うれしくなってくる。

 聞く姿勢もノリも、かなりいい(と思う)。

 本番を是非、楽しみにしていただきたい。

 

 14日(水)のことである。

 16日(金)に分数のテストをすると話した。

「勉強をしたい。」

と、Aちゃんが言った。

 それはいいことだと思ったので、帰りに「勉強会するよ。」という話をした。

 結果、6人の子どもが居残り、練習問題にチャレンジしていった。

 やる気があって、大いにけっこうである。

 テストの結果も、クラス全体の平均で8割をゆうに超える。

 

 また、こんなこともあった。

 昨日のことである。

 テストの空き時間中、Aちゃん、Nちゃん、Y君がろうかに出ていった。

 ぼくは叱ろうと思って、見にいった。

 ところが3人は、遊びに行ったのではなく、2年生の教室のプリントがとんでいたのをひろいにいき、はがれた掲示物を直しに行ってたのである。

(2年生はダンスの練習でいなかった。窓があいており強風だったため、散乱していたのである。)

 無関心にならず、行動に移せたことはすばらしいと思う。

「いい子だねー。」と、思わず頭をなでた。

 

 旗作り、ポンポン作りのあともさっと掃除ができたし、給食の空き時間に読書をして待つ子もでてきた。

 なんだかクラスがいい方向に進んでいるように感じる。

 プロも着々と生まれてきた。

 このままいい風が吹き続けてほしい。  

 

  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 

 運動会に向け毎日子どもたちは練習に励み、気持ちも上向いていたのだと思います。

 私はこういった、運動会、文化祭というイベントが大好きです。

 いつもとは違う高揚感。

 「成功させるぞ」という共通した目標に向かっていく一体感。

 このようなイベントを通して子どもたちを鍛え、育てたいと考えてきました。

 時間や準備に追われ大変ではありますが、子どもたちに学ばせること、考えさせることはたくさんあります。

 厳しく指導するところは指導する。

 次のとき、少しでも向上した姿があれば思いっきり褒める。

 ほんの少しの良さも見逃さない。

 確かな「目」を求められるときでもあります。

 その後の子どもたちですが、この「いい風」は、そう長くは吹きませんでした。