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先生が職員室へ行ってから、みんなでごめんなさいっていおうといっていて、
かなしかった。
ぼくはもう、かえってこないと思った。
けどみんなでごめんなさいっていったら、もどってきたからうれしかった。
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全面対決の翌日、子どもたちはお互いを注意しあいながら、テストの空き時間も静かに過ごしていた。
あれですぐに、大きく変わるとは思わない。
教育とはそんなに甘いものではないのである。
あれはあくまでも、きっかけにすぎない。
あそこから始まりなのだと言ってもいい。
ただぼくは、あの事件は、子どもたちにあやまってほしくて対決したのではない。
自分たちを見つめ直す時間をあたえたのである。
「あの日をくり返さない。」
この言葉を合言葉にして、ゆっくりでいいから確実に前進していきたい。
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だれかに「しずかにして。」と言われたら、ちゃんと3びょうでしずかにする。
自分が算数のプリントがおわったからっていって、しゃべってちゃだめ。
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これから3年2組は、人の話を3びょうい内で聞く。
みんなでたすけあっていきたいと思います。
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先生が出ていったのは、みんながばらばらで、それで先生はおこったと思う。
みんなが心を一つにしないからだめだと思う。
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算数の時間に先生が、
「もう、あきれた。」
と言って、職員室にもどっていった。
みんなシーンとして、時間もすぎて、わたしは思った。
「このまま、どうなるの。3−2はこわれて、バラバラになるの。」
いつもいつも、同じパターンに、なんでなってしまうのかな。
これから助けあって、いいクラスにしよう。
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今日、先生がおこりました。
みんながうるさかったからです。
わたしは、「先生、ごめんなさい。」と思いました。
わたしは、ほんとうに反せいしていると思います。
先生、はやくかえってきて、思っていました。
今までなかよくやってきたんだから、これからも、これいじょうなかよくしていきたいと感じました。
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土曜日の帰りに、
「先生、夢飛行船どれくらい高くのぼった?」
と、Kちゃんが聞いてきた。
「昨日はおちてついいらくしそうだったけど、今日で100mくらいのぼったかな。」
「どれくらい高くのぼればいい?」
「1万m!」
「おー!がんばるぞ!!」
みんな、このクラスのことが好きなはずだ。
だれだって、ついらくさせようなんて思っちゃいない。
あの日をくり返さない
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あらためて読み返すと、「ひどいことをしたなあ。」と感じます。
子どもたちのひたむきな、まっすぐな気持ちが伝わり、遠い昔のことですが、愛おしく思うのです。
子どもたちの前に立った以上、経験年数など関係なく、私たちは「プロ」です。
毎日が真剣勝負でした。
必死でしたが、それがとても楽しく、やりがいを感じていました。
どんだけしんどくても、子どもとたわいもないおしゃべりをし、とびっきりの笑顔を見れば、全てリセットされました。
次の日からまた、元気に頑張れました。