昨日の授業では、自分がされて嫌だったこと、悲しかったことを出し合った。
前日に書いてもらっていたので予想はしていたが、かなりたくさん出された。
それぞれ自分が体験してきたことであるので、説得力がある。
例えば、
・ 体型のことで悪口を言われたこと
・ ひそひそ話されたこと
・ 仲間はずれにされたこと
・ 無視されたこと
・ 苦手なことをバカにされたこと
・ あだ名・悪口
これらはおそらく、やった本人は軽い気持ちでやっているのだと思う。
ところが、やられた本人にとっては、つらく、悲しいことなのである。
心の傷というのは、目に見えないだけに、相手には伝わりにくい。
やられてニコニコ笑っていたって、心の中では泣いているのだ。
わかり合うことは、難しい。
だからこそ言葉にして、訴えていかねばならない。
この授業の中で、感動的な場面があった。
Kちゃんが、水泳で、「あの子、5mしか泳げない。」と指さされ、くやしかった、ということを涙を流しながら話したのである。
それに対しMちゃんは、
「水泳だって、勉強だって、がんばればできるようになる。
気にしないで、がんばってほしい。」
と、伝えた。
またNちゃんも、
「私よりも泳げる。
私にとってはKちゃんはすごい。
がんばって!」
と、はげました。
Kちゃんは泣きながら、「ありがとう。」と言った。
授業の後の感想文でS君は、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Kちゃんはすごいと思います。
スイミングスクールにも行っていないのに、5mも泳げるなんて、すごいです。
ぼくはスイミングスクールに行っているから泳げるだけで、泳ぎも勉強もかんたんなやつからのつみかさねなんだから、泳ぐれんしゅうをしてがんばりなよ。
れんしゅうをしたら、100mも200mも泳げるから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、書いていた。
なんと優しい、なんとすてきなメッセージであるか!
支え合い、励まし合う仲間がいるということを、子どもたちは知ったはずだ。
ぼくは、このクラスがまた(かなり)好きになった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
具体的な授業展開は、記録にも記憶にも残っていないのでわかりません。
ただ確実なのは、何かしら子どもたちに伝わるものがあり、心をゆさぶる何かがあったということです。
Kちゃんが自分から語りだし、みんなに思いを伝える。
勇気がいったと思います。
きっと誰かが受け止めてくれる。
そう、信じていたのでしょう。
そして、2人の子どもが返します。
「自分の言葉」で話しました。
だからこそ、Kちゃんを救いました。
S君の感想も、この通信を通してKちゃんに伝わりました。
教師のどんな言葉よりも、仲間の一言がうれしいのです。
こんなすてきな場面、1年の中でそうありません。
授業をしてよかった、そう思います。