5限目、道徳の授業で行いました。
まず、アンケートの結果を見て思ったこと、わかったこと、考えたことを書かせました。
全員にしっかり考えさせたかったので、
「書けていない人は立ちなさい。書けたらすわりなさい。」
と指示し、とにかく全員に、何らかの考えを持たせました。
そして子どもたちに、「『いじめ』ってどんなことだろう?」とたずねました。
・ 人のいやがることをする。
・ たたいたり、けったりする。
・ 悪口を言う。
・ 物をかくす。
などが出ました。
でも子どもたちは、もっと大きなことに気がついていませんでした。
それは、
ある人をさけたり、無視したりすること。
他の人とちがうようにすること(「差」をつけること)。
です。
子どもたちに、「こんなことをしたことはありませんか?」と聞きました。
多くの子どもが、「ない。」と答えました。
「ところが、あるんだ。」ということを話しました。
「ある人をさけたり、無視したりしている」事実をつきつけました。
最後に絵本を読んで、感想を書かせて終わりました。
絵本は、『こわいことなんかあらへん』(福井達雨編、馬場克美絵・字、偕成社)です。
脳炎の後遺症で、重度の「知的障がい」のやよいちゃんが、まわりの友だちから「こわい。」「きたない。」と言われ逃げられ、「こんといて。」「いっしょにあそんでやらへん。」等と言っていじめられる。
そのことに対して友だちのいくるくんが思いを語る、という話です。
いくるくんは、やよいちゃんの優しさ、良さを認め、
「(いろいろな子がいるんだから)みんなこわいことなんか、きたないことなんかな
い。みんな同じ人間や。みんななかよくあそんだり、べんきょうしたり、どんな子
どもとも手をつなぐことができたらすばらしいのに。」
と、語るのです。
担任の思い・願いと同じです。
子どもたちの心に、しっかり刻んでほしいことです。
子どもたちの感想を紹介します。
・ これからみんなも、なかよしになりたいとおもいます。
・ みんなにわたしのことを、きたないといわれたらいや。
・ いじめのことがわかった。
・ もう、いじわるをしたらだめなのがわかった。
・ わるい子も、みんなおんなじやなとおもいます。
・ 目が見えない子でも、耳がきこえない子でも、みんなともだち。
・ ぼくはもういじめをなくそうと思いました。人にいやなことをいうのは、きずつ
けること。
・ いじめをすると、あいてにとってもいやだとおもう。
・ こころをきずつけたらあかん。
・ みんなといっしょになかよくしたり、あそんだりしたい。
・ みんないっしょなのに、なかまはずれにするのはおかしいとおもった。
・ みんなともだちだから、いじめたりしない。
・ もう、いじわるしない。
難しい問題ですが、ここをのりこえ解決していかなければ、集団として、仲間として高まっていきません。
卒業するまでずっと同じ仲間なんだから、なおさらです。
私が感じていた「気になること」「大きな重要な問題」。
それは、クラスに「特別支援学級」に在籍する子どもがいて、その子に対するまわりの子どもの見方、接し方が引っかかっていたことです。
表面上は優しく声をかけ、意地悪をしたり、きつい言葉をぶつけたりすることはなかったように思います。
でも、その子が話しかけたり、かかわろうとしたりするとき、「さける」「無視をする」ように感じたのです。
「感じた」、のは、そういった事実を目にしたからです。
その時に、そのタイミングで、子どものそういった姿勢を正すための言葉がけができていなかった・・・。
「ん?」と思いつつも、そのまま見過ごしてしまっていました。
何人かの子どもも、私と同じように感じていたのです。
このままではだめだと考え、議題カードに
いじめがあります。なんとかしたい。
と、書いてきました。
それは、担任である私の至らなさに対する、その子たちの「叫び」だったのだと思います。
また子どもに教えられ、気付かされました。