お便りを何通かいただき、ありがとうございました。
うまく伝えられなかったところもあり、現在2年生のクラスではげしい「いじめ・無視」があるのか!と思われた方もいたのではないでしょうか。
そのようなことはありませんので、まずご安心ください。
議題カードに書かれていた
”いじめがあります。なんとかしたい。”
という思い・願いを生かしたいと考え、授業をしました。
ぼくがずっと気になっていたことがあったので、そのことを話すきっかけにもなりました。
アンケートの結果や子どもたちの様子、子どもからの訴えなどを見たり聞いたりしていると、「からかい」であったり、自分の力を誇示するために「たたいて」みたり、「いばって」みたり・・・。
そんなことがほとんどです。
発達段階から言って、当然起こってくることばかりです。
でも、すべてそのままにしていては、いずれ「いじめ」につながります。
機会を見つけては、それらがいかに「相手を傷つける」のかを考え、「思いやる」気持ちを育てていく必要があります。
そこでぼくは、ずっと気になっていたことを突きつけました。
ある子を、避けたり無視したりしている
ことがあるではないか!ということです。
授業後、声をかけ合う姿が多く見られています。
でもこれもまた、仲間づくりのきっかけにすぎず、始まったばかりなのです。
国語で学習した『スイミー』のように、力を合わせ、違いを豊かさに変えることができたとき、本当の仲間になるのです。
『スイミー』の感想文より
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みんなが一ぴきの大きな魚になれたのがよかった。
大きな魚をおい出だしたのがよかった。
みんなが力をあわせたから、大きな魚をおい出せることができたのがよかった。
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たのしくなったし、かなしくなったり。
スイミーだけじゃ、大きな魚にはなれなかった。
でも、みんなが力をあわせたから、一ぴきの大きな魚になれるんだ。
みんながんばったから、大きな魚になれたんだ。
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スイミーだけじゃ、大きいマグロをおいだせないけど、赤い魚たちがいてよかった。
スイミーもいてよかった。
スイミーがいなかったら、目ができなかった。
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25年以上前のことですので、授業での子どもたちの表情、言葉等は思い出せません。
子どもに背中を押され、そのことをきっかけとして、何とかせねばと具体的に動き出しました。
もし議題カードがなければ、もやもやしたまま見過ごしていたのかもしれません。
「いじめ・差別は許さない」と言っていながら、手を打つのが遅い!
今こうしてその時のことを振り返ると、まだまだ未熟な教師であったことを思い知らされます。
ただ、こうした経験は無駄ではなく、「どうすればいいのか」と考え、先行実践を調べ、そして取り組んだことを「通信」という形で書き記すことは自分の力になったと思います。
ささやかな実践を地道に積み重ねていく。
自分にできることは、こうしたことだけだったのです。