KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第二期 一新紀元  あれこれ 1999.10.7 No.63

 運動会のあわただしさ、忙しさも過ぎ、今少し、中だるみのようなところがあります。

 ピリッとしたものに、やや欠けている、そんな感じがします。

 それは子どもたちだけではなく、もちろん自分自身にも言えることで、教師がまず変わらなければ、子どもも変わりません。

 そういった思いを今、強く抱いています。

 

 先日、算数のテスト返しをした時、友だちの点数を見て「◯◯点や。」「△△くん、□□点やって〜。」などと、いかにも優越感にひたった、相手を小バカにした言い方がありました。

 がまんできなかったので、声を荒げ、叱りました。

「大切なのは結果ではなく、『がんばり』なのだ。いくら良い点をとっても、人の点を見

 てバカにするような言い方をしたら、その人は0点です。」

等と子どもたちに言いました。

 でも、この手の話は、そのとき効果があっても、すぐに忘れられていきます。

 事実で示すしかないのです。

 

 「教室はまちがえる場所」とはいっても、言葉だけでは響かず、やはり事実が大切なのです。

 そうでなければ、何度言っても、ただのお説教に終わってしまいます。

 

 国語のテストの前日、「テストに出る漢字」を教え、覚えるまで練習することを課題として出します。

 どれだけ練習するかは、個人任せです。

 今回、練習帳にびっしり2ページにわたって練習してきていたのは、

 Tさん、Yさん、Nさん、Mさん、Sさん、Hさん、Oさん、Kさん

の8人でした。

 楽をしようと思えば、いくらでもできます。

 でも、そうしないでがんばったところに、値うちがあるのです。

 努力できる人は、必ずどこかで、大きく伸びていきます。

 

 

 「事実で示す」ことで「ドラマ」が生まれ、子どもたちの心に深く刻まれます。

 そんなドラマは、1年の中でそうあるものではありません。

 ドラマを生み出すために、こちらがしかける。

 ドラマが生まれそうなことを、見落とさない。

 日々の小さなことに価値を見つけ、子どもたちに伝えていく。

 そういった地道な努力を、続けていくしかないのです。