KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第二期 一新紀元  さっそく行動 1999.10.15 No.66

 先週の図工の時間、手洗い場の周辺が水でぬれていました。

 パレットや筆、水入れなどを洗った時、水がとびちったり、したたり落ちたりしたものです。

 残念ながら、そのままでした。

 「ぬれている。」「すべった。」と言いに来るのですが、それならどうすればいいのか、考えて動けるようになってほしいと願っています。

 子どもたちに、

 

   描いている絵はどれも力強く、すばらしい。

   今までの、最高傑作だと思う。

   でも、後片付けができていない。

   廊下がぬれたままだ。

   誰かがすべって転んだら、ぬらしたまま放っておいた2年生の責任だ。

   最後までしっかりとかたづけてほしい。

   そうしたらもっと、すばらしい作品になる

 

 このような話をしました。

 

  そして昨日、図工で絵の続きを描きました。

  かなりの集中力が必要な絵ですので、みんな疲れています。

  早く終わった何人かが、パレットや筆を洗いに行きました。

  しばらくするとTさんが、

   「Yくんを手伝っていい?」

    と、たずねにきました。

 「何を手伝うの?」

   と聞くと、ろうかをYさんがふいているので、それを手伝うのだということでした。

  うれしかったのですが、きわめて冷静(クール)に、「いいよ。」とだけ答えまし 

 た。

 

  その後、廊下を見に行くと、Rさんもふいていました。

  先週のことを振り返り、さっそく行動に移していたのです。

  りっぱなことです。

  おかげで廊下はほとんどぬれておらず、きれいになっていました。

 

  注意をしたら、次からできるようになるのかと言うと、そんなことはほとんどあり

 ません。

  それでもほんの1人か2人、行動できる子がいます。

  その事実をみんなに伝え、褒め、価値付ける。

  すると、次は5人、6人と増える。

  また褒める。

  かたづけをしようとしない子どもを叱るのではなく、できている子を褒める。

  それでいいのだと思います。

  良さを少しずつ広げ、あたりまえのこととして習慣にする。

  いつの間にか、それがクラスの「文化」となり、子どもたちの力になっていくのです。