KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第二期 一新紀元  跳べた!跳んだ!!  1999.10.19 No.69

 体育で跳び箱をしています。

 1学期の終わりぐらいから布石として、「跳び箱に跳び乗ってジャンプする」等の運動をしてきました。

 そして2学期、少しずつステップをふみながら、「開脚跳び2、3段」跳べることを目指しています。

 

 ポイントはいくつかあります。

 ① つま先で強くふみきる

 ② 両手を開いて(パーの形で)、前の方につく

 ③ 両手で体を支え、前へ体を移動させる

 ④ マットの先の方を見る

 

 その中で特に、①と③は大きなポイントです。

 ①の「ふみきり」を強くするために、「ふみきって跳び箱に跳び乗る」あるいは、「跳び越す」練習を繰り返しました。

 少しずつ子どもたちのふみきりは、力強くなってきました。

 ④の「視線」については、ぼくがマットの先にしゃがみ、

「先生を見なさい。」

「とびこんでおいで。」

と、声をかけました。

 すると、自然に体が前へ前へくるようになりました。

 ②③については、手本を見せたり、跳び箱にしゃがませ、両手をついてゆっくり遠くに跳び下りる練習をさせたりしました。

 (1)両手に体重をかける

 (2)体を前へ移動させる

 (3)両手にかかっていた体重が軽くなる

 この一連の動作ができれば、ほとんど跳べるようになります。

 100%に近い数字です。

 

 さて、昨日の体育。

 練習後、2段から順にチャレンジです。

 2、3段のどちらかが跳べれば合格です。

 次々子どもたちが跳び、4段にチャレンジしていきます。

 残りは2人。

 TくんとHくんです。

 補助をしながら、軽くおしりを押しました。

 だいぶ前に行くことができてきました。

 ふみきりの位置を、少しずらしました。

 肩が少しずつ、前に出てきます。

 視線を、マットの先へ!

 補助をして支える手が、軽くなってきました。

 もう少しです。

 そして、ついに、跳べました!!

 2回目も、OKです。

 みんなの前で、跳んでもらいました。

 2人とも、跳べました。

 今までで、最高の跳び方です。

 拍手が2人を包んでいました。

 

 

 「跳び箱を全員、跳ばす」この実践は、私がよく読んでいた教育書に載っていたものです。

 どれだけ繰り返し読んだかわかりません。

 私にとってのバイブルであり、私を救ってくれた本なのです。

 その実践を、私は毎年行ってきました。

 ただ、私は力がないため、「全員跳ばす」事ができない年もありました。

 この年は、このように全員跳ばすことができました。

 そのときの嬉しそうな顔。

 大きな拍手を受けたあとの、はにかんだ顔。

 「できないことができる。わからないことがわかる。」ようにするのが、教師の仕事です。

 そのために、本を読み、話を聞き、実践を見て、話し合う。

 前にも書きましたが、日々、教師修業。

 学びを止めては、いけないのです。