KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第四期 威風堂々  再会  2010.4.7 No. 1

 6年生を卒業させたあと、しばらくは気が抜けたように、ぼんやりとしていた。

 誰もいなくなった教室を整とんしたり、読みかけのまま積んでいた本を読んだり、ゆっくりと時間を過ごした。

 

 それもつかの間、4月になり、新年度が始まった。

 毎年そうであるが、日に日に緊張感が高まってくる。

 時が目まぐるしく過ぎ、気持ちだけがあせる。

 

 そして、出会いのときをむかえた。 

 学年通信にも書いたが、「1年ぶり」の出会いである。

 子どもたちが2年生のとき、私は3組を担任していた。

 再びこうして出会うとは、思ってもみなかった。

 「持ち上がり」はこれまで何回かあったが、このような「1年おいて」というのは、初めてのことである。

 どんな顔をして子どもたちの前に立てばよいのか、何を話せばいいのか、学校に向かうまで、ずっと車の中で考えていた。

 当時1組だった子どもや2組だった子どものことも、よく知っている。

 だからこそ、これまでと同じではなく、ちがったかかわり方も求められる。

 それが難しくもあり、おもしろくもある。

 また、4年生を担任するのは、新採2年目以来、久しぶりである。

 これまで以上に、ドキドキワクワクしている。

 

 自分自身、忘れかけていた初心を思い出し、新鮮な気持ちで、子どもたちにぶつかっていきたい。

 「いじめや差別を許さない」「まわりに心を配る」「自分で考え、自分から動く」「ごまかさない、手を抜かない」など、これまで自分が大切にしてきたことが、ぶれないように、子どもたち一人ひとりを見ていきたい。

 この世に生まれ、こうして仲間と出会えたことは、「奇跡」である。

 この1年、子どもたちと過ごした「軌跡」を、この学級通信で紹介していきたい。

 

 何かとご迷惑をおかけすることもあると思いますが、大切な子どもたちを、責任を持って、確かにおあずかりします。1年間、よろしくお願いいたします。

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  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

 附属小学校には、6年間お世話になった。

 行く前は、「自分なんかが通用するのだろうか 。」「2、3年いることができたらオッケー。」など、不安でいっぱいだった。

 無我夢中、とにかくがむしゃらに毎日を過ごした。

 その分、家族にも迷惑や負担をかけてきた。

 

    ここでしかできない、貴重な経験をたくさんすることができた。

 研修、教育実習といった、附属小学校にとって大きな柱である2つのことの担当にもなった。

 しんどかった。けど、自分の中の、確かな力になった。

 

 地元の学校にもどった。 

 W市中心部に近い、伝統ある学校。

 人数も多く、2クラスか3クラス。

 どうしても、「附属小学校から来た」という目で、子どもにも、教員にも 、保護者にも見られてしまう。

    どこまで自分が学んできたことを活かせるのか、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、仲間に恵まれ、楽しく充実した日々を過ごせた。

 

 通信の書き方を、敬体から常体に変えた。

 その方が、自分の思いや考えをストレートに伝えられるからである。

 敬体だとどうしてもよそよそしくなり、モヤッとした文章になる。

 私が憧れる実践家の方の通信が、常体で書かれている。

 このことも大きく影響している。

 

 ということで、私自身の考察の文も、これからは「常体」とさせていただきます。

 引き続き、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

第三期 疾風怒濤  それぞれすてきな花を咲かせました  2006.3.20 No.82

 「大きな」心を育て、みんなで「大きな」輪をつくり、最後に「大きな」それぞれの花を咲かせたいと願ってきました。

 この1年、様々な出来事がありました。

 ときには厳しく叱り、ときにはともに笑い、気がつけば、私は1Bの子どもたちが大好きになっていました。

 

 先日、ある子どもから手紙をもらいました。

 そこには、

「いつまでも、先生のことが大すきです。わたしが2年生になっても、ずうっとふぞく小

 学校にいてくださいね。大すきです。さようなら。」

と書いてありました。

 胸が熱くなりました。

 私も、同じ気持ちです。

 

 17日のお別れ会のときに、子どもたちが黒板に、一人一言書きました。

 子どもたちが帰ったあと、一つひとつ読みました。

 今の子どもたちの、思いを感じました。

 

 ・ 2年生になっても、100てんとるぞ!

 ・ 2年生になったら、さかあがりをがんばるぞ。

 ・ 2年生になっても、ともだちでいてください。

 ・ 2年生になっても、わすれないでね。

 ・ この1年かん、たのしいじかんありがとう。

 ・ 先生、1年かんありがとう。べんきょうをおしえてくれて、ありがとう。 

 ・ 2年生になっても、よろしくね。

 ・ 2年生になっても、うんどうかいがんばるぞ。

 ・ 先生、べんきょういろいろおしえてくれて、ありがとうございました。

 ・ 2年生になったら、にじゅうとび20かい(30かい)とびたいです。

 ・ 1年間、たのしかったです。

 ・ 2年生になっても、わすれないよ。

 ・ 2年生になっても、みんなのことわすれないよ。

 ・ 2年生になったら、テストのてんすうを100てんとりたい。

 ・ 2年生になったら、にじゅうとびのこうさとびをやりたい。

 ・ 2年生になっても、わすれないでね。

 ・ 2年生になっても、ともだちでいてね。

 ・ 2年生になっても、ともだちでいようね。

 ・ 2年生になっても、がんばるぞ!

 ・ クラスがかわっても、わすれないでね。

 ・ この1年、ありがとう。

 ・ 2年生になっても、がんばります。

 ・ 2年生になってもずっとともだち。

 

 この1年を振り返り、やり残したこともたくさんあります。

 子どもたちの力を、十二分に引き出したとは言えないところも、多々あります。

 帰りの車の中で、いつも後悔し、子どもたちに申し訳なく感じながら帰宅します。

 でも、どれだけ落ち込んでいても、子どもたちはいつもとびっきりの笑顔で迎えてくれました。

 その笑顔に、どれだけ救われ、元気づけられたか分かりません。

 1Bの子どもたちに出会えて、本当に幸せでした。

 すてきな子どもたちを、ありがとうございました。

 頼りない担任を、様々な場面で支えていただき、本当にありがとうございました。

 本日をもちまして、子どもたちを、皆様のあたたかく、大きな手の平におかえしします。

 

  

 

 附属小学校では、6年間お世話になりました。

 その、最後の年に受け持った子どもたちとの1年間を、駆け足で振り返ってきました。

 「まだ、教師を続けよう。」という気持ちにさせてくれた、最高にかわいらしく、すてきな子どもたちでした。

 別れの日が近づくにつれ、子どもたちが私に甘えてきました。

 ケガもしていないのに、「絆創膏、はってください。」と言いに来る子、油断すると背中によじ登ってくる子。

 あんなに望んだ「異動」でしたが、「まだいたい。」そんなことも思うような、切ない3月でした。

 ここでしかできないたくさんの経験をしました。

 それらは私の宝であり、力となりました。

 それもすべて、ここで出会った子どもたちとの日々があったからです。

 地元に帰ります。

 どこまで通用するのか、不安もあります。

 この6年を誇りとし、全力でぶつかっていこう。

 次からは、第四期。

 威風堂々と進んでいこう。

 そう決意した、3月の終わりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

第三期 疾風怒濤  「1Bしゃしんてん」と、6Bとのお別れ  2006.3. 10 No.77

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     しゃしんてん

   きょうの休みじかん、しゃしんてんがありました。

   休みじかんがなくなったけど、たのしかったです。

   こんどからもあってほしいな。

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     しゃしんてん

   きょう、しゃしんてんがありました。

   ぼくは、ほんとうは、ちらしのグループじゃないけど、ちらしをくばったら、お

  きゃくさんがいっぱいきてくれました。

   2年生になったら、またしたいです。

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     そつぎょうしきのこと

   きょう4じかん目に、6年生Bぐみのおねえさん、おにいさんに、ペンダントやこ

  とばをつたえたり、あげたりしにいきました。

   6年生の人たちがよろこんでいたので、よかったです。

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     かなしいな

   きょう、6年生のおにいさん、おねえさんに、ペンダントをあげたり、あいさつ

  をしたりしました。

   あと3日しか、6年生といられないから、1日をたいせつにしたいです。

   すごくかなしいです。

   また、ふぞく小学校にあそびにきてください。

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 これまで生活科で取り組んできた、「かがやくわたし」の写真を展示する「1Bしゃしんてん」が、ようやく実現しました。

 先月末の学習参観で開催する予定でしたが間に合わず、8日(水)の開催となりました。

 6日(月)には、昼の放送でテレビを使って宣伝したり、ポスターを貼ったり、ちらしを配ったり、たくさんの人に来てもらうために、子どもたちがそれぞれ考えた方法でがんばっていました。

 看板もできあがり、さあ、後は本番!

 休み時間に開催するので、どれぐらいの人が来てくれるか、ちょっぴり不安でしたが・・・。

 予想以上の人たちが来てくれました。

 子どもたちもすごくうれしそうで、興奮していました。

 「すごいね。」という言葉に自信を持った子どももいます。

 他学級や他学年の子どもたちとかかわる、よい機会になりました。

 

 また、この日は、6Bとのお別れ会もありました。

 泣き出す子供もいましたが、あたたかい雰囲気の中、呼びかけをしたり、ペンダントを渡したりしました。

 渡すときにだっこされ、6年生の大きさ、たくましさを感じた子どももいたようでした。

 これまで、様々な場面でお世話をしてもらい、1Bの子どもたちも成長できました。

 人と人とのかかわりの大切さを、改めて実感した1日でした。

 

 

 6年生は、本当によく子どもたちにかかわり、かわいがってくれました。

 「しゃしんてん」にも、たくさん来てくれました。

 担任ではない、他の人の言葉、かかわりが子どもたちの心を響かせ、しみ込んでいきます。

 たくさんの人に支えられ、自分は「生かされている」ということを、子どもたちは実感したと思います。

 こういった体験が、子どもを育てます。

 

 

 

第三期 疾風怒濤  がんばるすがた、ささえるなかま  2006.2.13 No.72

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     こうさとび

   きょう、はじめて、こうさとびができました。

   はじめてできたとき、わたしは、すごくうれしかったです。

   Nちゃんと、Jちゃんと、Rちゃんにおしえてもらってできました。

   うれしかったです。

   そのともだちに、ありがとうと思っています。

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     こうさとび

   今日の4じかんめのときに、なわとびのこうさとびをしました。

   わたしは、はじめは1回もとべなかったのに、Oちゃんにおしえてもらって、さ 

  いこう8回もとべるようになりました。

   こうさとびをもっとできるようにれんしゅうします。

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     一りん車

   きょう、二十ぷん休みにすごく一りん車のれんしゅうをしたので、できるように

  なりました。

   Kちゃんと、Tちゃんと、Yちゃんと、Nちゃんが、おうえんしてくれたからできた

  んだとおもいます。

   うれしかったです。

   Mちゃんと、Uちゃんにいうと、

  「すごいね。」

  といってくれました。

   うれしかったです。

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 「できた!」というときの笑顔、とても輝いていました。

 子どもたちは、「がんばって、やればできるんだ。」ということ、励ましてくれたり、教えてくれたりする友だち、仲間がいるということ、それらを実感したと思います。

 パソコン室で、パソコンを使った学習も始めました。

 基本的なことを指導した後、ペアで教え合いながら「お絵かき」をしています。

 子どもたちは、いろいろな操作を自然と覚えていきました。

 「できた!わかった!」という喜びで、子どもたちの輝く笑顔が、ここでもたくさん見られました。

 

 

 

 1年生も終わりに近づいたこの頃、子どもたちは「互いに教え合い、声をかけ合う」ことが、あたりまえにできるようになってきました。

 指導者である私の出番も少なくなり、子どもたちの、仲間としての成長を感じます。

 輝く笑顔で、教室がすごくいい雰囲気になります。

「ご機嫌」でいること。

 それが子どもたちのプラスの力になってきたようです。

 

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第三期 疾風怒濤   忘れていました・・・ごめんなさい。 2006.2.9 No.71

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    よるの学校

  きょう、くらくなってから、ドリルをさがしに学校にいきました。

  よるの学校は、はじめてでした。

  いつもは、いっぱいみんながいるけど、ぼくひとりだけで、きんちょうしました。

  1Bのきょうしつも、シーンとしていて、そうっとあるきました。

  先生がいてくれて、よかったです。

  でも先生、ながいじかん学校にいて、すごいね。

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    わすれんぼう

  きょう、学校からかえってきたら、しゅくだいをしようとランドセルの中をのぞく

 と、しゅくだいのかん字ドリルがありませんでした。

  日きはありました。

  ともだちにでんわしても、おなじでした。

  なので、ママがこういいました。

 「できやんから、やらんとこ。きっとわすれたんだね。」

 と、ママがいいました。

  日きだけやりました。

  ちょっぴりうれしかったです。

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 宿題に「かん字ドリル19」を出したものの、そのかん字ドリルをチェックするために、あずかったままでした。

 「ドリルがありません。」というお電話をいただくまで、まったく気がつきませんでした。

 「ドリルがないから、泣きそうになったんだよ。」

 「先生、返すの忘れてたでしょ。」

など、朝から子どもたちにいろいろ言われてしまいました。

 本当に、ごめんなさい・・・。

 

 

 「出した宿題を配り忘れる」ことは、よくありました。

 帰りの挨拶をする時に気づいて「あっ。」といったこともありますが、時すでに遅し、そのことを知っていた子どもたちは、「さよなら~。」「先生、ありがとう。」と言って、いそいそと帰っていきます。

 ま、そんな日があっても、いいじゃないか。

 次の日宿題チェックが少し減り、私も実はラッキー!。

第三期 疾風怒濤  かたかなの「ヲ」 2006.1.19 No.68

 国語で「かたかなのかたち」を学習しました。

 形の似ているひらがなとかたかなや、形の似ているかたかなを確かめたあと、「ツ」と「シ」、「ソ」と「ン」を書くときの注意を話しました。

 そして、「ヲ」の読み方、書き順を確かめました。

 

 自分は、「ヲ」は2画で書くものだと思っていましたが、実は3画で書くことを調べて分かり、驚きました。

 勉強不足です。

 もちろん、子どもたちには、「はじめから知っていたよ。だって、先生だもん。」という顔で教えましたが・・・。

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    かたかなの「ヲ」

  「ヲを書いてみて。」

 と、おかあさんにきいてみました。

  先生がいったとおり、ひっかかりました。

  ぼくがかきじゅんをおしえてあげました。

  びっくりしていました。

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    かった

  きょう、いえで、おかあさんに、

  「かたかなで、くっつきの『を』って、どうやってかくとおもう。」

 ときいたら、「‾」「ノ」「ー」といったので、

  「ちがうよー。」

 と、わたしがいいました。

  「ええー、そうだよー。」

 といったので、わたしはこくごのきょうかしょを見せてあげました。

  そしたら、おかあさんが、

  「そうなんだー。」

 といいました。

  だからわたしは、おもわず、

  「かったー。」

 といいました。

  だから、うれしかったです。

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 ヲの書き順など、意識したことがありませんでした。

 恥ずかしながら、2画で書くと思っていましたし、おそらく今も、2画で書いてしまうと思います。

 子どもたちに指導するとき、いろいろな書き方が出され、話し合うとおもしろいと考えていました。

 そして、正しい書き方を知ったとき、子どもたちは「ええー。」と、どよめいたと思います。

 私は自分のこととは棚に上げ、子どもたちに、

「ヲの書き方、大人の人もよく間違えるよ。家に帰ったら、『ヲの書き方わっかる~?』

 って、聞いてご覧。そして、正しい書き方を教えてあげるんだ!」

と話し、その時のことを書いたのが上の作文です。

 子どもらの得意げな顔が、思いうかびます。

 「勉強って楽しい!」と、一瞬でも思った子が、何人かいたはずです。

 

  

 

第三期 疾風怒濤   何が問題なのか  2005.10.19 No.48

 昨日の道徳で、身近な出来事から、「何が問題なのか」を考えさせました。

 まず、クラスの友だちの洗濯ばさみ(牛乳パック用)が割れていたことと、低学年用の女子トイレの使い方が悪く、便器から汚水があふれてくるなか、6年生の掃除当番の人たちがきれいにしてくれていることの2つの出来事について話し合いました。

 

 1つ目のことについては、「誰かがふんで割った。」「誰かがふんで、そのままにしていた。」からそうなったんだということが、確認されました。

 2つ目のことについては、「誰かが流さなかった。」「トイレットペーパーをいっぱい使いすぎた。」からそうなったんだということが、確認されました。

 

 この2つに共通する問題は何かを話し合ったところ、「約束を守っていない。」ということが出されましたが、それ以上は出なかったので、私の方から、

「2つとも、『誰かが』やってしまって、『そのまま』にしていたから、相手に迷惑をか

 けている」

ことが問題であると話しました。

 洗濯ばさみを何らかの理由で割ってしまったことは、仕方のないことです。

 それを相手や私に伝えず、そのままにしていたことがいけないと思います。

 トイレも、つまらせてしまったのなら、そのままにしないで、誰かに知らせることで、そのときに何とか対処ができたと思います。

 そうすれば、6年生の掃除当番の人たちに、大変な思いをさせずにすんだのです。

 何か失敗してしまったときは、正直に知らせるようにしましょうと、話しました。

 

 次に、あだ名のことで話し合いをしました。

 資料を読み合い、「人の嫌がることは言ったらだめ。」「自分が言われたら嫌な気持ちになるから、絶対に言ってはいけない。」といった意見のあと、自分が過去に言われた経験を話し出す子どもが出始めました。

 「こんなことを言われて、とても嫌だったから言わないで。」ということを、子どもたちは語り始めたのです。

 「嫌なことは我慢しないで、嫌と言おう。」「相手の思いを想像して、自分が言われて嫌なことは言わない、されて嫌なことはしない。」ことを話しました。

 身近なところの問題だけに、子どもたちはリアルに自分と重ね、考えることができたと思います。

 

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 道徳の教材は、「事実」であることが大事だと考えています。

 説得力があるからです。

 自分の生活、思いを重ねやすいからです。

 このとき私が子どもたちに伝えたことは、普段からも話しているような「あたりまえ」のことです。

 ただ、具体的な事実を通すことで、子どもたちは「はっ」となり、「あ、そうか。」と納得しやすくなります。

 あだ名のところで、子どもが自分のことを語り始めた場面は、とても印象的でした。

 聞いていた周りの子どもたちは、しっかりと受け止めることができたと思います。

 友だちが、自分の言葉で自分のことを訴えたのですから。

 仲間として信頼関係できてきたからこそ、言えたのだと思います。