KenGのあしあと(学級通信より)

過去に出してきた学級通信を紹介

第二期 一新紀元  作文 「 」(話し言葉)から書き始める 1999.12.15 No.97

 作文の時間、『うつしまるくん』(※視写教材 光村教育図書)で練習したあと、「話し言葉から書き始める」作文を書かせました。

 書き出しを3パターン示し、どれかを選び、そして続きを書く、という方法です。

 示したパターンは、

  ① 「あ!しまった!」

        ② 「うわ!これはなんだ?」

        ③ 「たいへんだ。もうこんな時間だ。」

です。

 

 いくつか紹介します。

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 「あっ!しまったー!家にかえるのをわすれていた。」

 と、まりちゃんがいいました。とけいをみたら、まりちゃんが

 「まだ12時だ。」

 と、言いました。

 「あー、よかった。」

 と、まりちゃんが言いました。

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 「うわ!これはなんだ?」

   びっくりして、先生が見てみたらユーフォーがとんでいました。

 先生は、ほんものとおもってにげだしました。

 ほんとうは、子どものいたずらだったのでした。

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 「たいへんだ。もうこんな時間だ。学校にちこくする。」

 と、ゆうたが言いました。ちこくしました。ろうかにたっていたら、カラスがとんできてぶつかりました。

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「たいへんだ。もうこんな時間だ。はやく学校へいかないと。先生なのに!」

と、先生が言いました。

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「あっ!しまったー!もう、こんな時間。先生におこられちゃう。」

  ゆうたは、いそいでごはんをたべました。はをみがきました。「ハラハラドキドキ」ゆうたは、はしりながら思っています。学校につきました。

「ちこくしちゃった。」

「こら〜。」

  先生がいいました。

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 「  」(話し言葉)で書き始めるだけで、ずいぶん作文の質が上がります。

 引き込まれてしまうのです。

 ただ、この授業でひとつ反省すべきことは、中身に制限を加えず自由に書かせると、下品なものに走ってしまうということ。(笑ってしまう自分もダメでした・・・)

 下品な笑いは、「ユーモアではない」ということを話していく必要を感じました。(自戒の念もこめて)

 

 

 作文(日揮指導も含む)はときどき指導を入れないと、おもしろみのないありきたりなものになってしまいます。

 子どもが、そのとき見たもの、聞いたこと、思ったこと、話したこと、したことなどを、そのまま自分の言葉で書かせたい。

 うまく言えないのですが、その子にしか書けない「生き生きとした」表現・・・日常の、ほんの一面を切り取り、その場面を素直な言葉であらわす、そういった作文を書かせたいと考えていました。

 話し言葉から書き始めることも、表現技法のひとつです。

 なかなか書き始めることができない子どもも当然います。

 何人かの作文を読んで聞かせたり、その子に読ませたりすることで、「あ、そう書けばいいのか。」と、気づかせるようにしました。

 それにしても、作文指導は難しい・・・。

 そして、おもしろい!そう思います。

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